月とコーヒー と、コーヒー。

 

コーヒーを飲みながら読書をする、というのが趣味の人もいると思います。

今日は私的、コーヒー片手に読みたくなる本を紹介したいと思います。

同じコーヒータイムでも、スマホ片手に過ごすよりも充足感のある時間になるように感じるのは私だけでしょうか?

 

月とコーヒー

こちらです。

まずサイズと厚みが可愛い。ぽてっとしていて大切にしたくなるフォルムをしています。ハードカバーですが、これくらいのサイズならトートバッグに入れて持ち歩くのが億劫ではありません。

 

そしていかにも!な題名なのですが、これが期待を裏切りません。

月とコーヒーってこんな本!

 

ネタバレは決してしないように、この短編集がどんなお話かちょっと紹介したいと思います。

24話の短編集

各話10~12ページ程度のお話です。

読みだしたら止まらない人、コーヒー1杯を飲み干すくらいの時間でキリをつけたい人、ストーリー物を味わうほど読書に時間が割けない人なんかにはとてもとてもお勧めのボリュームです。

この世界のお話のようで、おとぎ話のようで。

登場人物は感性豊かな人達と、たまに動物。

カフェで働く素直な女の子だったり、毎日毎日同じ作業をすることに辟易している青年だったり、老人ホームで好き勝手に過ごす偏屈な老人だったり。

そんな様々な人(まれに動物)達が、現実にあるのかないか分からない “世の中の隅の方” で繰り広げている出来事が綴られています。

結末は、自分次第。

彼らが繰り広げている物語はとても小さなことだけれど、確実に彼らの人生の転機になること。

そしてそれに気付けるかや、主人公がどうなるかは読み手次第。

めでたしめでたし、では終わりませんがきっとそうなんじゃないかとおぼろげに考えてしまう、余韻の残るお話です。

あとがき

素敵なお話だったなーと思いつつページを繰ると、作者(吉田篤弘さん)のあとがきが。

この星で生きていく上で必要なものは “月とコーヒー” ではなく “太陽とパン”の方だろうが、この世から月とコーヒーがなくなったらなんと味気なくつまらないものだろう。生きていく上で必要ではないが日常を繰り返すためには必要なもの。

というようなことをおっしゃっています。

 

タイトルにもあるように自分が好きなコーヒーはまさしくそれであり、あるのが当たり前だったけれど。

美味しいお豆があること、それを淹れられること、飲めることに感謝しようと思いました☺

 

合わせたいコーヒー

個人的には、これにはまろやかなケニアなんかを合わせたい。

癖のある明るいコーヒーよりも、こっくりまあるく安心して飲める味わいのやつ。

 

短編集だから、気がついたらコーヒーが冷めていたなんてこともないのではないでしょうか。

文字をどんどん追うよりも、1話1話の合間に一息ついてコーヒーを飲みながらお話のその後を想像したくなる。

そんな余韻をコーヒーと共に楽しめる小説です。

 

ちなみに、私が一番好きなお話は泥棒のお話。粋なことをしてくれます。自分も泥棒のお話が好き!という方がいたらうれしいです。

 

この本、個人的には秋~冬にかけて読みたくなるのでまだ寒いこの時期、おうち時間のお供にいかがでしょうか☺